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【経営者インタビュー】
30年の家事代行ノウハウを資格に
労働集約から知的集約ビジネスへ

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2017年4月20日

 

 

 日本における家事代行業の草分けであるミニメイド・サービス(東京都渋谷区)。

富裕層にターゲットを絞った事業展開と並行し、13年前からNPO法人を立ち上げ、

「整理収納アドバイザー」を中心とした家事資格を展開する。

そのビジネスモデルに迫る。

 

 

 

顧客は4000世帯の富裕層

 

 山田長司社長が家事代行業を始めたのは、1983年。当時、大学時代に立ち上げたビル清掃会社を経営していたが、経済誌に掲載されていたアメリカの家事代行業の記事に衝撃を受け、渡米。現地の経営者を直接訪問し、そのビジネスモデルを学んだ。

 

 それ以降、本社に近い世田谷エリアの富裕層層向けに、掃除や片付けなどの家事代行サービスを提供してきた。

 

 現在、FCを含めた全体売り上げは24億円。2、3人のスタッフが週1回掃除などを行なう「ミニメイド」ブランドを中心に、全国135店舗を展開。顧客数は本社で約1000世帯、FCを含めると4000世帯に上る。

 

 山田社長は、「ここまで長く事業を続けられた理由の1つは、顧客を富裕層に絞っていること。富裕層というのは、景気変動に関わらずに、常に一定数いらっしゃり、古くからお手伝いさんや家政婦のようなサービスを必要としている」と話す。

 

 近年では、長谷川興産が展開する「おそうじ本舗」やダスキンの「メリーメイド」など競合も増えたが、現在、売り上げ規模は業界6位の地位にある(日経MJ調べ)。

 

資格取得者は9万人に

 

 家事代行業と並ぶ2本目の柱となっているのが、一般ユーザーを対象とした家事の資格制度。2003年にNPOハウスキーピング協会を設立。同協会が認定する、物の片付け方を学ぶ「整理収納アドバイザー」では、資格取得者が計約9万人、最近は年1万人ペースで増える人気資格となっている。

 

 ここまで拡大できた理由は、どこにあるのか。

 

 「まず、30年以上家事をやってきたノウハウがあります。同業者でも、技術が学びたくてこの資格を取る人は少なくありません。また日常的にやらなくてはいけない整理ですが、一般の方できちんとできている人は圧倒的に少ないのです」

 

 また、講師の存在が主婦の憧れを刺激した。各地域で資格講座を開催する講師たちは、2級、1級、認定講師とステップアップしてきた元一般ユーザー。「先生という肩書がほしい」、「自分も講師として地域で活躍したい」と考える人は多い。

 最近では、著書「人生がときめく片付けの魔法」がミリオンセラーとなった近藤麻理恵さんなど、カリスマ資格者も登場している。彼女たちのような存在が、資格の周知と憧れを加速させている。

 

新資格「クリンネスト」開始

 

 資格事業は、既存の家事代行業とも大きなシナジーを発揮しつつある。資格者の中から、整理収納を仕事としたいという人たちが現れ始めたからだ。

 

 これに対し同社では、「整理ing 」という新たなサービスを開始。これは既存のFC店のように、自分が経営者となり、作業員を雇用し広い規模で展開するという形態とは異なる。自身が整理収納のコンサルタント兼作業員として、近隣の小規模範囲で仕事をするもの。集客もネットや口コミが中心で、少ないリスクで開業できるのが魅力だ。

 

 山田社長が「資格を取って講師をやっていただいてもいいし、整理ing に登録して私たちと一緒に仕事をしてもらってもいい」と話す通り、緩やかにミニメイド・サービス、ハウスキーピング協会、資格者で連携していく。

 

 2016年4月から、新たな資格も開始した。それが掃除の専門家である「クリンネスト」。現在、資格者は約500人。プラン、動線など5つのメソッドで、プロの技に近い掃除方法を学ぶ。

 

 「家事代行はどうしても労働集約型のビジネスにならざるを得ない。でもこれだけでは、将来人の代わりに作業してくれるロボットに負けてしまうかも。今後は、資格のようにノウハウを提供する知的集約型、知的家事サービスに力を入れていきたい」

 

企業データ

設立:1985年3月

所在地:東京都渋谷区

事業内容:家事代行サービス

企業URL:https://minimaid.co.jp/

 

 

 

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